○菊池広域連合消防職員ストレスチェック制度実施要綱
平成29年2月28日
訓令第4号
(目的)
第1条 この要綱は、労働安全衛生法第66条の10の規定に基づくストレスチェック制度の実施について必要な事項を定めるものとする。
2 心理的な負担の程度を把握するための検査(以下「ストレスチェック」という。)の実施方法等については、労働安全衛生法その他の法令の定めによるほか、この要綱で定める。
(1) 臨時的任用職員
(2) ストレスチェック実施日において休職又は長期休暇を取得している職員
(制度の趣旨)
第3条 本要綱を職員が閲覧することにより、ストレスチェック制度の趣旨等を職員に周知する。
2 ストレスチェック制度は、職員自身のストレスへの気づき及びその対処の支援並びに職場環境の改善を通じて、メンタルヘルス不調となることを未然に防止する一次予防を目的としており、メンタルヘルス不調者の発見を一義的な目的とはしないものとする。
3 ストレスチェック制度では、ストレスチェックの結果は直接本人に通知され、本人の同意なく消防長が結果を入手するようなことがないこと。
4 本人が面接指導を申し出た場合や、ストレスチェックの結果を消防長への提供に同意した場合に消防長が入手した結果は、本人の健康管理のために使用し、それ以外の目的に利用することはないこと。
(ストレスチェック制度の担当者)
第4条 ストレスチェック制度の実施計画の策定及び計画に基づく実施及び管理の実務担当(以下「実務担当」とする。)は、総務課庶務係とする。
2 実務担当は、ストレスチェックに関する個人情報を取り扱う業務には従事しない。
(ストレスチェックの実施者)
第5条 ストレスチェックの実施者(以下「実施者」とする。)は、菊池広域連合長が業務を委託する産業医(医師及び保健師)とする。
(ストレスチェックの実施事務従事者)
第6条 実施者の指示のもと、調査票のデータ入力及び管理、職員への通知準備等の実施実務従事者(以下「実施事務従事者」とする。)は、菊池広域連合が業務を委託する産業医事務担当者とする。
(面接指導の実施者)
第7条 ストレスチェックの結果に基づく面接指導は、実施者が実施することとする。
(実施時期)
第8条 ストレスチェックは、毎年1回、定期に実施するものとする。
(受検の方法等)
第9条 職員は、専門医療機関に通院中などの特別の事情がない限り、設定した期間中にストレスチェックを受けるよう努めなければならない。
2 ストレスチェックは、職員の健康管理を適切に行い、メンタルヘルス不調を予防する目的で行うものであるから、ストレスチェックにおいて職員は自身のストレスの状況をありのままを回答すること。
3 職員がすべてストレスチェックを受けるように、実施期間の開始後に受検状況を把握し、実務担当は受検の勧奨を行う。
(調査票及び実施方法)
第10条 ストレスチェックは、労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度マニュアル(平成27年5月厚生労働省労働基準局安全衛生部労働衛生課産業保健支援室。以下「マニュアル」という。)を用いて、紙媒体に自記式調査方法にて行う。
(ストレスの程度の評価方法・高ストレス者の選定方法)
第11条 ストレスチェックの個人結果の評価は、マニュアルを用いて換算し、その結果をレーダーチャート等に示すことにより行う。
2 高ストレス者の選定は、前条のマニュアルを用いた評価結果で実施者が定める。
(ストレスチェック結果の通知方法)
第12条 ストレスチェックの結果は、実施事務従事者が封筒に封入し、実務担当を通じ職員へ通知する。
2 前項の個人結果のほか、必要に応じて次に掲げる事項を通知するものとする。
(1) 職員個人によるセルフケアに関する助言・指導
(2) 面接指導の対象者にあっては、面接指導の申出窓口及び申出方法
(3) 面接指導申出窓口以外のストレスチェック結果について相談できる窓口に関す情報提供
(セルフケア)
第13条 職員は、前条のストレスチェックの結果及び結果に記載された実施者による助言・指導に基づいて、適切にストレスを軽減するためのセルフケアを行うように努めなければならない。
(面接指導の申出の方法)
第14条 ストレスチェックの結果、医師の面接指導を受ける必要があると判定された職員が、医師の面接を希望する場合は、個人結果通知に同封された面接指導申込書により実務担当に申出なければならない。
2 ストレスチェック結果送付後一定期間を経過したら、実務担当は全職員に医師による面接指導の勧奨を行うことが出来る。
3 同条第1項に規定する申出をした場合は、その申出をもってストレスチェックの結果を消防長へ提供することに同意したものとみなす。
(面接指導の実施方法)
第15条 面接指導の実施日時及び場所は、第14条1項の申出が提出されたら、実務担当と実施者若しくは実施事務従事者で面接指導の実施日時を決定する。その後実務担当が該当職員へ通知しなければならない。該当職員へ通知する場合は、その内容が第3者に知られることがないように配慮しなければならない。
2 前項の通知を受けた職員は、指定された日時に面接指導を受けるものとし、所属長は職員が指定された日時に面接指導を受けることができるよう配慮しなければならない。
3 面接指導を行う者は実施者とし、場所は実施者の指定する場所とする。
4 面接指導医師は、前条第1項の申出を行った職員に対し、労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号。以下「省令」という。)第52条の17各号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項について、確認を行うものとする。
(1) 当該職員の勤務の状況
(2) 当該職員の心理的な負担の状況
(3) 前号に掲げるもののほか、当該職員の心身の状況
5 消防長は、当該職員の勤務の状況及び職場環境等を勘案した適切な面接指導が行われるよう、事前に、面接指導医に対して当該職員に関する労働時間、労働密度、当直勤務の回数、勤務の状況並びに職場環境等に関する情報を提供するものとする。
(面接指導結果に基づく医師の意見聴取方法)
第16条 消防長は、実施者に対して、面接指導が終了してからおおむね1ヶ月以内に別紙面接指導結果報告書兼意見書により、結果の報告及び意見の提出を求めるものとする。
(面接指導結果を踏まえた措置の実施方法)
第17条 消防長は、面接指導医師から提出された面接指導の結果を、総務課長に通知するものとする。
2 前項に規定する通知を受けた総務課長は、当該面接指導の結果及び就業上の処置の内容、職務遂行上必要な情報について確認の上、就業上の措置が必要な場合にあっては、速やかに、その内容を決定するものとする。
3 総務課長は、前項に規定する就業上の措置を決定する場合は、あらかじめ当該職員の意見を聴取し、了解が得られるよう努めなければならない。
4 総務課長は、第2項に規定する就業上の措置の決定について、速やかに、就業上の措置に係る報告書により消防長及び実施者へ報告するものとする。
5 第2項に規定する就業上の措置が実施された場合、職員は正当な理由がない限り、当該措置に従わなければならない。
(集計・分析の実施)
第18条 実施者は、ストレスチェック結果を消防本部にあっては課及び署にあっては課を単位とする集団で集計・分析し、その結果を消防長へ提供する。
2 前項の単位が10人未満の場合は、同意書を求めるものとする。
3 集団分析する際に個人が特定される場合は、特定される職員を集団分析から除外する。
4 消防長は、同条第1項に規定する集団分析の結果を、その集団を管理監督する所属長へ通知し、通知を受けた所属長は、当該集団分析結果を、必要に応じて職場環境の改善に活用するものとする。
(ストレスチェック結果の記録の保存担当者)
第19条 ストレスチェック結果の記録の保存担当者は、実施事務従事者とする。
2 集団分析の結果の保存担当者は、実施事務従事者及び実務担当とする。
(ストレスチェック結果の保存期間)
第20条 前条1項の保存担当者は、ストレスチェック結果を5年間保存する。
2 前条2項の保存担当者は、消防長に提供されたストレスチェックの集団分析の結果、面接指導を申出た面接指導申込書及びストレスチェックの結果並びに面接指導医から提出された報告書及び意見書を5年間保存する。
3 前項の保存担当者は、記録が第3者に閲覧されることの無いように、総務課内の施錠可能な場所に保存すること。
(守秘義務)
第21条 実施者、実施事務従事者、実務担当、消防長及び所属長は、それらの職務を通じて知り得た秘密を他の職員へ漏らしてはならない。
(情報の開示等)
第22条 職員は、ストレスチェック制度における自己に関する個人情報の開示、訂正及び削除等を求める場合、ストレスチェック制度に係る自己情報の開示等請求書により実務担当者に申出るものとする。
2 消防長は、前項の提出があった場合は、当該請求に対する諾否を決定し、その内容について当該請求をした職員に自己情報開示等請求に係る諾否決定通知書により、速やかに通知しなければならない。
(苦情申し立て)
第23条 職員は、ストレスチェック制度に関する情報の取り扱いについて苦情を申し立てる場合は、実務担当に申立てるものとする。
2 実務担当は、苦情申し立てを受けたときは、苦情受付・処理票を作成し、消防長へ報告しなければならない。
3 消防長は、当該苦情に係る問題を解決するために必要な措置を講ずるものとする。
(不利益な取り扱いの防止)
第24条 消防長は、ストレスチェック制度において、把握した職員の健康情報等に基づき、当該職員の健康の確保に必要な範囲を超えて、当該職員に対して、次に掲げる各号の行為を行わないものとする。
1 ストレスチェック結果に基づき、医師の面接指導を申し出た職員に対して、申し出を行ったことを理由として不利益となる取り扱いを行うこと。
2 職員の同意を得て本部に提出されたストレスチェック結果に基づき、ストレスチェック結果を理由として不利益となる取り扱いを行うこと。
3 ストレスチェックを受けない職員に対して、受けないことを理由として不利益となる取り扱いを行うこと。
4 ストレスチェック結果を本部に提出することに同意しない職員に対して、同意しないことを理由に不利益となる取り扱いを行うこと。
5 医師による面接指導が必要とされたにも関わらず、面接指導の申出を行わない職員に対して、申出を行わないことを理由として、不利益となる取り扱いを行うこと。
6 就業上の措置を実施するにあたり、医師による面接指導を実施し、面接指導を実施した医師から意見を聴取するなど、法令上求められる手順に従わず、不利益になる取り扱いを行うこと。
7 面接指導結果に基づく措置の実施にあたり、面接指導医師の意見とはその内容・程度が著しく異なる等医師の意見を勘案し、必要と認められる範囲となっていないもの、又は職員の実情が考慮されていないもの等の法令上求められる要件を満たさない内容の不利益になる取り扱いを行うこと。
8 面接指導の結果に基づいて、就業上の措置として次に掲げる措置を行うこと。
(1) 解雇すること。
(2) 退職勧奨を行うこと。
(3) 不当な動機及び目的をもってなされた判断とされるような配置転換、階級及び役職の変更を命じること。
(4) その他労働関係法令に違反する措置を講じること。
附則
この要綱は、平成29年4月1日から施行する。