○菊池広域連合危険物流出等の事故調査規程
令和元年8月6日
告示第10号
(趣旨)
第1条 この規程は、消防法(昭和23年法律第186号。以下「法」という。)第16条の3の2の規定に基づき、製造所、貯蔵所又は取扱所(以下「危険物施設」という。)で発生した危険物の流出その他の事故であって火災が発生するおそれのあったもの(以下「危険物流出等の事故」という。)の原因調査(以下「調査」という。)について、必要な事項を定めるものとする。
(調査の目的)
第2条 調査は、危険物流出等の事故の原因を明らかにして、類似事故再発防止対策及び火災予防の充実を図ることを目的とする。
(1) 危険物流出等の事故 法第16条の3の2第1項に規定する事故をいう。
(2) 事故調査 法第16条の3の2第1項の規定により行う調査をいう。
(3) 調査員 危険物規制事務に従事する職員及び危険物流出等の事故の原因の調査を命ぜられた消防職員をいう。
(4) 関係のある場所 危険物施設以外の施設で起こった事故において、危険物流出等の事故の原因となった場所及び危険物が危険物施設外に流出した場所をいう。
(5) 関係者 事故に直接関与した者、危険物施設の関係者、事故の目撃者その他の危険物流出等の事故に関係する者をいう。
(調査の責任)
第4条 危険物流出等の事故が発生した管轄区域内の調査責任者は消防長とする。
2 調査の主体は、予防課長とし、予防課長が調査を行うことができないときの調査の主体は、消防署長とする。
(調査の実施)
第5条 予防課長又は消防署長(以下「予防課長等」という。)は、管轄区域内に危険物流出等の事故を覚知したときは、直ちに調査を実施しなければならない。
2 予防課長等は、調査員に対し、調査の遂行上必要な指示を与えるものとする。
(調査の基本)
第6条 調査は、危険物流出等の事故となった原因を調査するほか、発生に至った経緯、発生前、発生時の作業の状況、事故の模様、関係者の講じた措置、被害状況等を明らかにするものとする。
2 調査に当たっては、常に事実の究明を主眼とし、先入観にとらわれることなく、科学的な方法と合理的な判断によって事実の立証に努めなければならない。
3 調査は、物的調査と人的調査を相関的に併せて行わなければならない。
(調査員の心得)
第7条 調査員は、調査に必要な知識及び技術の修得に努めるとともに、次に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1) 調査員相互に連絡協調を図り、調査業務の進行が円滑になるように努めること。
(2) 警察機関その他の機関と緊密な連携を保持して調査に当たること。
(3) 適正公平を旨とし、強制的手段を避け、穏健妥当な方法により、関係者の協力を得るように留意すること。
(4) 調査上知り得た秘密をみだりに他に漏らさないこと。
(5) 調査に際し関係者の民事的紛争に関与しないこと。
(6) 調査の経過その他参考となるべき事項を記録し、これを保存すること。
(調査の区分)
第8条 調査は、危険物流出等の事故の規模を次の各号に区分して実施するものとする。
(2) 詳細事故調査 次に定める危険物流出等の事故の調査
ア 危険物施設(製造所及び一般取扱所を除く。)から危険物が10キロリットル以上流出した事故
イ 製造所又は一般取扱所から危険物が指定数量の10倍以上流出した事故
ウ 地下に埋設されたタンク又は配管から危険物が指定数量以上流出し、又は敷地外に流出した事故
エ 危険物の流出に起因し、死者が発生した事故
オ 容量500キロリットル以上の屋外タンク貯蔵所の基礎・地盤又はタンク本体(屋根、浮き屋根又はインターフロートタンクの浮き蓋を含む。)が破損し、変形し、沈下し、又は傾斜するなどの異常な状態となった事故
カ その他、消防長が類似事故の防止又は予防対策の必要性等の観点から、詳細な事故原因調査を行うことが必要と認めた事故
(3) 消防庁長官調査 次に定める消防庁長官が行うことが望ましい事故の調査
ア 容量500キロリットル以上の屋外タンク貯蔵所から危険物が100キロリットル以上流出した事故
イ 容量500キロリットル以上の屋外タンク貯蔵所以外の危険物施設から危険物が50キロリットル以上流出した事故
ウ 製造所又は一般取扱所から危険物が指定数量の10倍以上流出した事故で事故原因の特定が困難なもの
エ 地震その他の特異な状況(地震等の自然災害、構造上の問題(強度不足等)が推察されるなどの状況をいい、バルブの操作ミス、他の施設の爆発などの状況を除く。)により、容量500キロリットル以上の屋外タンク貯蔵所の基礎・地盤、タンク本体(屋根、浮き屋根又はインナーフロートタンクの浮き蓋を含む。)が座屈、沈下、傾斜などの異常な状態となった事故
オ その他、社会的な影響の大きな事故で、消防長が消防庁長官調査の実施が適当と考えた事故
(事故調査マニュアルの活用)
第9条 調査を行うに当たっては、危険物流出等の事故の調査マニュアルについて(平成20年消防危第317号消防庁危険物保安室長通知。以下「事故調査マニュアル」という。)を活用するものとする。
(消防庁長官調査の要請)
第10条 連合長が消防庁長官調査を要請する場合には、事故調査マニュアルに規定する連携要領により関係機関との調整を行い、調査体制を速やかに構築しなければならない。
(関係機関への通報)
第11条 消防長は、危険物流出等の事故について犯罪の疑いがあると認めたときは、直ちに危険物流出等の事故の発生地を管轄する警察署長に通報しなければならない。
2 その他、市町防災担当及び環境担当等、必要と思われる機関へ通報する。
(立入検査)
第12条 調査員は、その職務を行うに当たり、危険物流出等の事故の現場及び関係のある場所に立ち入って、その状況を検査しなければならない。
2 前項の規定による立入検査に際しては、法第4条第1項ただし書及び第2項から第4項までの規定を守らなければならない。
3 調査員は、第1項の規定による立入検査に際し、関係者の承諾及び立会いを得て行うものとする。
(立入検査証票の携帯)
第13条 調査員は、調査に際し、関係のある場所に立ち入る場合においては、菊池広域連合消防職員の立入検査証票に関する規則(平成17年2月1日規則第14号)の規定に基づく立入検査証票を携帯し、関係のある者の請求があるときは、これを示さなければならない。
(調査報告書)
第14条 調査員は、事故の概要及び被害状況等を調査し、危険物流出等の事故調査報告書(様式第1号)を作成しなければならない。
(実況見分)
第15条 調査員は、危険物流出等の事故の現場及び関係のある場所について実況見分を行い、調査資料の発見入手に努めなければならない。
2 実況見分は、調査員が中心となり、その指揮のもとに協力して組織的に行わなければならない。
(質問)
第16条 調査員は、原因の究明又は損害の把握のため必要があると認められる場合は、場所及び時期を考慮し、関係者に質問を行い、その事実の確認に努めなければならない。
(資料提出)
第17条 調査員は、調査に関し必要な物件その他の資料について、関係者から提出を求めるものとする。
2 資料の提出又は報告があったときは、危険物流出等の事故に関する資料提出報告書に受領した旨を記入し、1部を提出者に返付するとともに、所有権を放棄しない資料の提出者に対しては、提出資料保管書(様式第7号)を交付するものとする。
3 前項の提出資料保管書を交付した資料は、紛失、き損等をしないように保管するとともに、保管の必要がなくなったときは、提出者に当該資料を還付するものとする。この場合においては、提出資料保管書に還付を受け受領した旨を記入させるものとする。
(危険物流出等の事故原因判定書)
第20条 調査員は、危険物流出等の事故の原因を判定したときは、危険物流出等の事故原因判定書(様式第8号)を作成しなければならない。
(調査書類の管理)
第21条 この規程により作成した調査書類は、予防課において適正に管理しなければならない。
(調査書類)
第22条 調査員は、調査を終了したときは、次に掲げる書類のうち該当する書類を次に記載した順に整理編さんするものとする。
(1) 危険物流出等の事故調査報告書
(2) 危険物流出等の事故実況見分調書
(3) 危険物流出等の事故質問調書
(4) 危険物流出等の事故に関する資料提出命令書
(5) 危険物流出等の事故に関する報告徴収書
(6) 危険物流出等の事故に関する資料提出報告書
(7) 提出資料保管書
(8) 危険物流出等の事故原因判定書
(9) その他必要な書類
(報告)
第23条 調査員は、調査が完了したときは、すみやかに前条の調査書類で消防長に報告しなければならない。
2 調査員は、危険物流出等の事故の調査が長期にわたるとき又は特に必要があるときは、調査の経過について消防長に中間報告を行い、緊密な連絡保持に努めなければならない。
附則
この告示は、公布の日から施行する。
附則(令和3年告示第8号)
(施行期日)
1 この告示は、公布の日から施行する。
(経過措置)
2 この告示の施行の際現に存するこの告示による改正前の書式による用紙は、当分の間、所要の調整をして使用することができる。